さてさて、今回のテーマは、モルタルやコンクリートの材料となる“砂”の買い方について、まじめに考えてみましたw。
あなたは、ホームセンターで売っている袋砂と、建材屋さんで売っている量り売りの砂、どちらを使うことが多いですか?
もしあなたが、モルタルやコンクリートを使う作業を予定している場合、「どこで砂を買ったらいいか」、「どんなタイプの砂を買ったら良いか」などでお悩みでしたら、この記事は多少はお役に立てるのではないかと思います。(←弱気)
また、この記事では砂について書いていますが、ほとんどの場合、砂利も全く同じ金額、同じ条件で扱っていることが多いので、内容をそのまま砂利に当てはめて考えてもらっても問題ないと思われます!
それと、記事の一番最後に特別なおまけとして、量り売りの砂を買う場合の、一緒に買うセメントの量の簡単な計算方法も紹介していますので、そちらも是非参考にしてみてください。これは役に立つ割にあまり知られていない、めちゃくちゃ価値のある情報です。
値段の比較
袋売りの砂と量り売りの砂、金額的にはどっちがお得なの?
ちょっと気になった事はあるけど、わざわざ計算したことがない人も多いのではないでしょうか?
実際僕もいままでそのタイプでした。というか、毎回気になっていたけど、ここまでちゃんと計算してみたのは今回が初めてです(笑)
なので、今回は僕みたいなめんどくさがりさんを代表して、(←w)砂の買い付け方法として一般的と思われる3パターンで砂の値段を比較してみたので、参考にしてみてください。
ちなみに金額は、神奈川県周辺で僕が知っている範囲の内容なので、もしかしたら地方によって大幅に金額が違ったらごめんなさい
(うちの地域はこれ位だよー、みたいなコメント待ってますw)
まずは単純に売ってるそのままの状態での値段です。
■ホームセンターの袋砂 1袋 20kg
お値段 ¥128~198くらいが相場じゃないでしょうか?お店によってけっこう違いますよね。僕が見た事ある中で一番安くて、98円というのを見たことがありますが、その金額のお店はなかなかないですw
■建材店の袋砂 1袋 25kg
お値段¥450~500 くらいでしょうか。これもお店によって多少の違いはあると思います
■建材店の量り売り (0.1立米単位で任意の量を注文できます)
立米単価=¥7000~9000 くらいでしょうか。僕が仕事で一番良く利用している建材屋さんでは単価8000円でした。
※単価は、もしかしたら取引量や、業者or一般によっても変わるかも知れません。
※運搬コストの関係などで、地域によって差があるかも知れません。また、お店により量が少ない注文の場合は多少の割り増しがあるかも知れません。
さて、このままでは比べるのが難しいので、1kg当たりの値段に直してみましょう。
金額も、幅があると分かりにくいので、ここから先は、ホームセンター=1袋148円、建材店の袋砂=1袋450円、量り売り=1立米8000円として計算した結果です。
(個人的な感覚で、これくらいが平均かな?という設定ですので、厳しいツッコミはご容赦ください💦)
(※立米(りゅうべい)=㎥=立法メートルと同じ。発音は「りゅーべ」と読みます)
1kgあたりの砂の値段は・・・・・
■ホームセンター= 7.4円 / 1kg
■建材店(土のう袋詰め)=18円 / kg
■建材店(量り売り)= 4.7円 / kg
なるほど、やはり量り売りが一番お買い得という事がよく分かりましたね(笑)
けど、1kgで砂を買う事はないのでいまいちピンとこないっすよね。 なので、ホームセンターの砂1袋(20kg)あたりではいくらになるのか計算してみました。
砂20kgあたりのお値段は・・・・・
■ホームセンター=148円(そのまま)
■建材店(土のう袋詰め)=360円
■建材店(量り売り)=94円
おおお、やはり建材屋さんの量り売りがダントツに安いっすね。
逆に建材屋さんの土のう詰めの砂はかなり割高な印象。
(建材屋さんのスタッフが人力で詰めているのでしょうから、しかたありませんよね^^;しかも土のう袋代も余計にかかってます)
ちなみに、、僕らのようなブロック屋さんや、消費する量が多い業者さんのために、1立米あたりの値段も計算してみました。
立米(体積)と、キロ(重さ)では基準となる単位がちがうので、体積に直す必要がありました。
砂の比重がだいたい1700kg / 立米 なので、それを基準に計算しました。
1立米あたりの砂のお値段は・・・・・
■ホームセンター=12.580円
■建材店(土のう袋詰め)=30.600円
■建材店(量り売り)=8.000円
うーむ、だいぶ差がでますね(笑)まぁ現実には、1立米の砂を袋で買うことはほとんど無いとは思いますがw(あったとしたら絶対計算しますよね)
個人的な感想ですが、ホームセンターの袋砂って、大量買いしても思ったほどめちゃ高くはないんだなぁ、という印象でした。
ちなみに量り売りの場合、砂の量はどこの建材屋さんでも、重機オペレーターさんの長年の経験と勘で計るのが普通です。 (バケットの容量でおおよその見当をつけてるみたいですね)
建材屋さんに慣れていないと「おいおい、それって量どんだけ合ってんのかい?」って突っ込みたくなるかもしれませんが…(笑)彼らも毎日何十回も積んでいるプロですから信用して大丈夫です。
ブロック屋の僕らは普段から砂と、砂の量に合わせた量のセメントも一緒に買うのですが、現場では砂がなくなると同時に、セメントもちょうどなくなるので、量り売り砂はほぼ正確に注文した通りに毎回積んでくれていると思います。
もし注文した量より少なかったらクレームが来るでしょうから、逆に気持ち多めかも知れませんね(笑)
さて、価格の安さで量り売りに軍配が上がったところで、量り売り砂の特徴をついでにいくつか上げてみましょう。
建材店の量り売り砂の特徴
■積み込みがめちゃくちゃ速い。
一般的にショベルローダーという重機で積んでくれるのですが、(バケットのサイズにもよりますが)1立米だろうが2立米だろうがあっという間に積んでくれます。
朝の建材屋さんは、その日の工事で使う材料を積みに来る業者さんでとっても混み合いますから、短時間で積んでもらえるというのは、僕ら使う側としても大変ありがたいのです。
■粒の粗さが選べる。
これは建材店の置き場の規模にもよりますが、お店に置いてあれば粗目と中目、細目など砂粒の粗さの種類が選べます。
モルタルやコンクリートに練ったときに性質、扱いが多少変わってくるので、使用用途によって選べるわけです。慣れや好みで選ぶ人もいます。
ブロック積みの場合は中目くらいが扱いやすいですが、目地の仕上げが不要な場合(左官下地等)はあえて粗目を選ぶ事もあります。水が引いて固まるのが早いのは粗目の砂です。
■業者さんは伝票取り引き契約を結べば、現金不要で買い物ができるということ。
(これは業者さん以外にはあまり関係ないかもしれませんね^^;)
■トラックじゃないと積めない(当たり前ですがw)
重機で上からざざざーと落として積むので、乗用車では完全にムリです。
■ちょっとだけ買えない。
最低取引単位が0.1立米(約170kg)からなので少量だけ買う事ができません。
■降ろす場所のスペースは広めに必要。
山状になるので場所をとります。ユンボのある現場ではトン袋に入れるとこぼれず、吊り上げて移動も簡単なので非常に便利。
■乾燥度合いにムラがある。
建材屋さんの置き場には大抵の場合屋根がかかっていますが、それでも大雨の日と、カラッと晴れた日が数日続いた場合とでは砂の湿り気がけっこう変わります。
また現場では雨対策(シート掛け)しないとびしょびしょになる。たっぷり水分を含んだ砂だと、モルタルを練る時に緩くなりすぎることになります。
■使うときは、いちいち袋を開ける手間、袋のゴミも出ないのでとっても仕事がスムーズ。
こんなところでしょうか。
では続いて袋砂の特徴を上げてみましょう。
袋砂の特徴
■運搬がしやすい。特に、搬入経路で一輪車が通れない場所があったり、階段を通る必要がある場合などでは袋砂が楽です。(場合によってはバケツ、ペール缶で運ぶという手もあります)
■保管、仮置きが省スペース。小さな床面積に高く積み上げられるので、置き場所が狭い場合は袋砂が有利です。
■ホームセンターのビニールの袋砂の場合は乾燥具合が安定している。(土のう袋の砂は雨ざらしだとびしょびしょになってしまいます)
■量がきちんと決まっているので、セメントとの調合が初心者でも確実にできる。
■ホームセンターのビニールの袋砂の場合は開けるのにカッターナイフが必要。また、使った分だけ袋のゴミが出ます。(土のう袋は再利用可能です)
■粗目の砂1種類しか置いていないホームセンターも意外と多い。
こんなところでしょうか。
まぁ結論としては…現場の状況や運搬、保管等の条件が許せば、量り売りの砂を使うのがコスパが良いと言えそうですね。それと、やはり日本では人件費が一番高くつくので、
・『作業完了までにかかる手間と時間をいかに少なくできるか』
・『砂の単価ばかりに気を取られずに、作業が滞りなくスムーズに捗ること』
などを考慮して、どちらのタイプの砂を使うのかを検討してみるのがいいかも知れませんね!
参考にしていただけましたでしょうか?
おまけ
ちなみに、モルタルやコンクリートを作る目的で(ほぼそうでしょうけども)量り売り砂を買う場合に、セメントの量を簡単に計算する方式をお教えしましょう!
ぼくはブロック積み歴50年以上ベテラン大先輩、タチさんにこう教わりました。
砂1立米に対してセメント25袋。これがモルタルの標準調合の割合だよ、と。
つまり砂コンマ1の場合は2.5袋のセメントが必要。(0.1の事をコンマ1という言い方をするのが業界では一般的なのです^^)
砂コンマ2だとセメント5袋
コンマ3で7.5袋
コンマ4=10袋
コンマ5=12.5袋
…あとは分かりますよねw
これは覚えやすいでしょ?
コメント
非常に詳しくわかりやすい記事でした♪
同業なら、分かってることですが、一般の方にも分かりやすく、分かってるつもりの同業者でも改めて再認識させられる記事で、とてもよかったです☆
当方、関西方面(兵庫〜大阪)ですが、大体同じ価格帯ですね。仲良くなった建材屋さんでは、いつも気持ち多めに入れてくれたり、逆に多いと現場の段取りで邪魔になる場合がある時は、量を調整してくれたりしますね。世間話でもしながら、顔を覚えてもらって仲良くなっておくとは重要と感じてます♪
建材関係の記事も参考になりましたが、残土処分場等々の記事も書いていただけると有難いです。場所によって値段や中身(ガラNGとか)色々あると思いますが、地域差とかあるのか気になってます。当方の情報も提供できますよ♪
※残土等 産廃関係は、場合によっては情報に注意が必要かもしれないので、書ける範囲でw
長々とすみませんでした〜
クマさんいつも暖かいコメントありがとうございます!情報提供もありがとうございます! 関西も価格帯だいたい同じくらいなんですね。大幅に違ってなくてちょっと安心しました^^;
建材屋さんと仲良くなると色々話も聞けるし、お互いやりやすくなりますよね!
残土処分については、僕もまだ情報不足でして^^;ダンプ屋さんと仲良くなると色々裏話も聞けそうですよね(笑)記事が書けるくらいに経験と情報がまとまったら、いつか書いてみたいと思います! 確かに、悪いことしてるわけじゃないんですけど、やっぱり公に書ける話、書いて大丈夫か悩む話もあるので、内容によっては気を使いますねw(たまに踏み外してると思いますがw)
またぜひコメント頂けるとうれしいです(^^♪ 情報交換もよろしくお願いしま~す!